債務整理者やブラックの方がクレジットカードを作る方法

債務整理者やブラックの方は、基本的にクレジットカードは作れないことで知られています。

そうは言っても、クレジットカードがなければ日常生活で不便なことが多々あります。

ガソリンスタンドでの支払いやネットでの買い物は、クレジットカードがあれば便利でスムーズです。

また、高速料金の支払いに使えるETCカードも、クレジットカードが発行されないので持てません。

過去に債務整理を行っている人だと、クレジットカードの利用代金を延滞する可能性が高いと判断されてしまうからです。

ところが、債務整理者やブラックの方でも発行される可能性が残されているクレジットカードとして「デポジット型ライフカード」があります。

ここでは債務整理者やブラックの方がクレジットカードを作る方法として、デポジット型ライフカードを紹介します。

金融事故の履歴は５〜10年残る

デポジット型ライフカードを紹介する前に、ブラックの状態はいつまで続くのか？説明します。

債務整理などの金融事故の履歴は、信用情報機関に5〜10年保存されます。

信用情報機関というのは、すべての人のクレジットカードやローンの契約や支払い状況を保存している機関のことです。

信用情報機関は日本に3つあり、金融事故の履歴を何年保存するかが機関により異なります。

具体的な履歴の保存期間は、以下のとおりです。

• シー・アイ・シー（CIC）…5年
• 日本信用情報機関（JICC）…5年
• 全国銀行協会（JBA）…5〜10年

これら3つの信用情報機関は、お互いに情報を共有しています。

そのため、CICとJICCの2つの機関で金融事故の情報が消えたとしても、JBAにまだ情報が残っていればクレジットカードやローンの審査でそのことが知られてしまいます。

これら3つのすべての信用情報機関から金融事故の情報が消えれば、債務整理者としての制限がなくなります。

ただ、金融事故の履歴が消えてしばらくの間は、クレジットカードを持つことが難しい状態が続きます。

履歴が消えても審査落ちすることが多い

信用情報機関から金融事故の履歴が消えるには、先ほども説明したとおり5〜10年かかります。

ただ、信用情報機関からは金融事故の履歴だけでなく、過去のクレジットカードやローンの利用情報もすべて消えてしまいます。

その理由は、信用情報機関がクレジットカードやローンの情報を保管するのが5年と、金融事故の履歴と同じだからです。

過去のクレジットカードやローンの利用情報がすべて消えてしまうと、新たにクレジットカードに申し込んだときの審査で、カード会社は申込者が持っているクレジットカードやローンの情報を一切見つけることができません。

なお、この状態のことを「スーパーホワイト」と呼びます。

社会人でクレジットカードやローンの記録がまったくないと、金融事故の履歴が消えて間もない人だと推測されて審査で不利になってしまうのです。

そのため、金融事故の履歴が消えてから最初のクレジットカードが発行されるまでは、ある程度の時間がかかります。

このように、債務整理者やブラックの方はクレジットカードを持つのがかなり難しい状態です。

デポジット型ライフカードなら可能性がある

金融事故の履歴がまだ消えていない状態でも発行される可能性がゼロではないクレジットカードがデポジット型ライフカードです。

債務整理者やブラックの方でも必ず発行されるというわけではありませんが、発行される可能性が残されているというだけでも価値が高いクレジットカードです。

珍しいデポジット型

このカードは、発行されるときにデポジット（保証金）を支払うという珍しいクレジットカードです。

カードの使い方は通常のクレジットカードと同じで、お店やインターネットの支払いに使った代金は1か月分をまとめて翌月に指定した口座から引き落とされます。

預けたデポジットは、カードの利用代金の支払いに延滞があったときに充当されるしくみです。

そのため、1度預けたデポジットは解約されるまで返金されません。

また、カードを解約するときに利用代金の延滞があれば、デポジットから差し引かれます。

カード会社の損失がない

債務整理者やブラックの方は、クレジットカード会社からの信用がまったくない状態です。

しかし、このカードならカード会社は延滞があればデポジットから充当すればよいので損失を受けることはありません。

このことから、デポジット型ライフカードは債務整理者やブラックの方であっても発行される可能性はゼロではないと言えます。

デポジットで限度額と年会費が決まる

デポジット型ライフカードは、デポジットとして最初に預けた保証金の金額に応じて年会費と利用限度額が決まります。

デポジットの金額がそのままカードの利用限度額なので、自分で限度額が決められるということです。

年会費は最低でも5,500円と一般的なクレジットカードとくらべて割高な上、通常クレジットカードでは支払う必要のないデポジットを用意しなければならないという2点がデメリットです。

しかし、ブラックの方でも発行される可能性が残されているメリットはかなり大きいと言えます。

ETCカードでも発行できる

債務整理者やブラックの方がクレジットカードを持ちたい理由の1つに、ETCカードを発行したいことが挙げられます。

ETCカードは高速道路のETCレーンを通過すれば後日高速料金が請求されるため、高速料金を利用する機会がある方にとっては必需品とも言えるカードです。

ETCカードは基本的にクレジットカードが発行されないと持てません。

審査不要で利用できる「ETCパーソナルカード」も発行されてはいるものの、最低でも2万円のデポジットが必要なのがデメリットです。

ETCパーソナルカードのデポジットを支払うなら、デポジット型ライフカードのデポジットを支払ってクレジットカード本体とETCカードの両方が使えた方が便利です。

このように、デポジット型ライフカードはETCカードを持ちたい債務整理者やブラックの方にも適したカードです。

新たなカードが作られたらすぐに解約をおすすめ

デポジット型ライフカードは、信用情報機関の履歴が消えた後も利用し続けることができます。

しかし、金融事故の履歴が消えて通常のクレジットカードが発行されたら、このカードは解約することをおすすめします。

その理由は、このカードは債務整理者やブラックの型でも持てる可能性があるということ以外はメリットがないからです。

新たなクレジットカードが発行されれば解約してデポジットを返金してもらうことをおすすめします。

ただ、デポジットが必要とは言え、債務整理者やブラックの方でも持てる可能性が残されているクレジットカードは数少ないので貴重な存在です。